抜け毛の病気
抜け毛の原因となるものは何らかの病気から生活環境など病気とは呼べないものまで多様なことに起因します。
また歳を重ねることによって抜け毛も増えてくることは自然なことで心配してもしょうがありません。
ここでは、抜け毛の原因となる代表的な病気をご紹介しています。
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円形脱毛症とは、コインのように円形の脱毛が起きる病気です。
1㎝程度の小さなものから数㎝に及ぶものまで、大きさは様々です。
また1ヵ所だけではなく多発することもあります。
さらに髪の毛だけではなく、眉毛やワキ毛など全身の毛が抜けてしまうというケースもあります。
最近円形脱毛症の悩みを抱えている年代として20歳代が最も多くなってきています。
円形脱毛症というのは、男女問わずになる病気ですが、女性患者は男性患者に比べると1.5倍といわれています。
性格が几帳面で真面目な方に発症例が多いことから、ストレスが大きな原因の1つと言えるでしょう。
最近では『自己免疫疾患』の一種という見方が有力ですね。
人間の体には最近やウイルスなど外的の侵入から自身を守る【疫】機構があります。
これは、主にリンパ球がその働きを担っています。
円形脱毛症の患者さんの脱毛部分を観察してみると、毛根にリンパ球が集まり、毛根が萎縮してしまっています。
理由としてリンパ球が自分の体の一部である毛根を【外敵】【異物】と勘違いをして攻撃していると考えられます。
そのために髪の毛の成長が止められているようです。
皮膚科の専門医に診断してもらうと、どのような治療法が有効かについてなど、いろいろと親身にアドバイスしてくれます。
いずれにせよ早めに皮膚科の専門医の診断を受けることが重要です。
円形脱毛症の薬剤
◆塩化カルプロニウム(フロジン液)
末梢血管の拡張作用があり育毛剤【カロヤンガッシュ】などの主成分の塗り薬です。
◆グリチルリチン
抗炎症・抗アレルギー作用があり漢方薬として用いられるカンゾウから抽出した薬効成分配合の飲み薬です。
◆セファランチン
タマサキツヅラフジという植物から抽出したアルカロイド成分配合の塗り薬(セファランチンアルコール)、あるいは飲み薬です。
円形脱毛症の治療
◆液体窒素療法
液体窒素を含ませた綿球で患部に刺激を与えます。
◆紫外線療法
長い波長の紫外線A波(UVA)を患部に照射して、リンパ球の異常な働きを抑えます。
◆局所免疫療法
薬を使って局所に人為的に皮膚炎(かぶれ)を起こし、その状態を維持しながら発毛を促進させます。
◆免疫抑制剤
塗り薬、あるいは飲み薬。アトピー性皮膚炎の治療で好成績をあげ、円形脱毛症の治療効果も期待されています。
◆低出力レーザー
脱毛部の神経節にレーザーを照射して、頭皮の血流をよくします。
いづれにしても治療を始めるのであれば早期治療が1番です。
早ければ早いほど症状を効果的に抑えることができます。
薬や治療も必要ですが、日常生活でも睡眠・食事もバランスよく摂るように心掛けましょう。
心身のストレス穏和にするために日常生活から工夫していくことをオススメします。
トリコチロマニアという癖
トリコチロマニア(抜毛症)というのをご存知ですか?
自分の頭髪や眉毛などを無意識のうちに自分で抜いてしまう機能的脱毛症のことです。
小学生くらいまでの女子に多く見られる症状です、髪の毛だけでなくまゆ毛やまつ毛を抜いてしまうこともあります。
以前から知られていた病気ですが、最近では思春期以降や20歳代、30歳代の女性にも多く見られる症状の1つとなっています。
ストレスから自分を守ろうとする防衛機制(無意識にストレスを解消する方法)の表れであることが多いと考えられます。
症状は円形脱毛症にも似ていますが、毛先が引きちぎられたようにざらざらしているところが特徴です。
もしそのような症状に思い当たる点がある方は、抜け毛対策というよりは心の健康を取り戻すために診療内科の受診をオススメします。
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